連載 辛口シネマ・コラム NO.1
『 サンデー娯楽館 』映画認定者・柳ユーレイ

まあ 三日に一回のペースで、よく映画の試写会に行かせて頂きました。
まあ ホント、世の中に こんなに映画作品があるとは…
でも まあ 創りゃいいってもんでもないですよね〜? 
しかし 今現在 同じ作品を観たとしたら、感想、認定印も変わってくるんだろうな〜。
そういうところが映画の良さよ。( 柳ユーレイ 談 )



認認認認… 感激じゃ。ニン定印ドン!
認認……… 好みが合えばニンマリよ

認認認…… ニン気赤丸急上昇
………… 同じニンでも忍耐のニン


1. フライド・グリーン・トマト
認認認
ちょっとしたことで臭くなる題材を 老いた女性、生活に疲れた中年女性、対照的な若い2人の
女性の多彩なエピソード。それぞれに関わる人たちなどを通してステキな作品に仕上げた。
ちなみにイジ−のような女性にとても弱い私です。
2. シティ・オブ・ジョイ
認認認
目まぐるしく変化していく現代について、いけない人、他人の目や生活が気になり過ぎる人
ますますパーソナル化していく生活に疑問を感じている人、乾いた生活の中で感動したい人
必見。観終わった時、心の中で何かが変わっている…と思います。
3. ミッドナイト25時 殺しの訪問者
認認
ヒッチコックばりの心理サスペンス――  なんて言ったらほめすぎでしょうか。
スピーディーなストーリー展開、覚え切れない数の登場人物、残酷な殺人シーンなどの
最近の映画に不満を感じている方、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
4. ザ・スタンド
認認
最近、押しつけの自然モノが鼻につき始めていたのだが、この作品にはその手特有の
押しつけがましさがない、ホントに素直な気持ちで、現在、人類が抱える最大と言っても
過言ではない問題を考えられそう。この映画は、そんな気にさせてくれます。
5. ハート・オブ・ダークネス 〜コッポラの黙示録〜

映画に限らず、作品自体の出来が素晴らしければ、たとえ制作費や日数がいくら掛かろうが
俳優がどんなに嫌なヤツだろうが、大した問題ではない。
何事も余計な付加価値が物事の本質を見誤らせるもとになる。今更、裏話をバラす必要は無いと思う。
6. 仕立て屋の恋
認認認
すっげーストレートなタイトル。分りやすいよ。ホントにその通り。
恋する仕立て屋のお話しなのよ。これは、でもいいんだよ。この老酒(ラオチュ―)の壺みたいな
オヤジがヘンタイぽくて…、ラストはやっぱり こうでなきゃって感じ。オヤジがハマッてます。
7. ハワーズ・エンド

大英帝国の上流社会を軸にした物語。
一見、我々日本の一般庶民とは無関係のようだが、家柄、遺産相続、老人問題など
誰の身にもいつかふりかかってくるであろう問題を扱っている。
実家が金持ちで兄弟の多い私は考えてしまった。
8. ウルガ

超現実。シュール。 ストーリーは一応あるんだけど、なんか「だだっ広い野っぱらに
カメラひとつドーンと据えて時間の流れを収めた」って感じのそういう何というか…。
ゴメンナサイ、グリコのお手上げ状態です。ボクが皆さんの感想を聞きたい。
9. バーチャル・ウォーズ
認認認
化学の進歩、文明社会の裏側にある危険、そして天使と悪魔の戦い。
言い古された言葉だが、現代文明の中で飼い慣らされて痛点のマヒしてしまった僕たち。
既に手遅れかも知れないけど、このまま老いていく訳にはいかない。
10. ウディ・アレンの影と霧
認認
アン・リアルな世界をお洒落なモノクロ映像、ミステリータッチのストーリー展開、
軽妙な会話などを技として作品にまとめ上げていく手腕はさすが。
ちなみにW・アレンのへなちょこオヤジぶりは、後ろから蹴飛ばしたくなるほど情けなくてグッド。
11. アップル・ゲイツ
認認認認
僕たちの良く知っている愛すべきアメリカ。その姿が嫌みったらしくなく、
押しつけがましくない風刺とパロディーで味つけされたコメディーになった。
実に見事に表現されている。発想が最高にくだらなくてグッド。とても面白い映画だよ。
12. ホワイト・フィング
認認認
年齢、職業、国籍、性別を超え、全ての人に訴えるものがある。
大自然の厳しさや、人と人、人と動物の愛情、友情、言葉にすると安くくさくなってしまう
世界が何の抵抗もなく素直に受け入れられる。さすがディズニー!
13. 美女と野獣
認認認
アニメに関しては偏見を持つ人も少なくないと思う。かくいう僕もそうでして、実写は高尚で、
アニメはお子様向けなんて思っていた。しかし、時として現実なんかよりも リアルな世界を
僕らの前に映し出してくれるのだということを、この作品で学んだ。
14. こうのとり、たちずさんで

「簡潔・明瞭であること」 僕がよい作品だと思う基準のひとつである。
個人差はあると思うが、人間がひとつのことに集中していられるのは2時間が限度だと思う。
それ以上になると単に苦痛なだけで、作品を楽しむなんて気持ちはすっ飛んでしまう。
15. 寒椿
認認認
色と欲と意地にとりつかれ、ずるずると自滅していく男たちの姿は現代においても
何ら変わるところはなく、安定を求め幸せを掴み取る女の力はあらゆる状況を乗り越え
ますます強力になっていく。過去の恨みを晴らすごとくに。ほんに哀れは男たちかも。
16. 抱きしめたいから
認認
悲しくなるよな、こういうの。 それは難民の人たちが可哀想だとかいうんじゃなくて、
こういった問題が現実に世界中のあっちこっちで持ち上がっているという実情に対して
来る側、迎える側のそれぞれの事情は、とてもヘビーな問題だと思う。
17. いつかギラギラする日
認認
ハードだなあ。松田優作氏が亡くなられて以来 久しく遠ざかっていた
邦画のハードボイルドもの。とにかく激しい。この手のヤツは現実から遠いほど面白いし、
車でも家でも派手にブッ壊すほどスカッとするもんだ。細かいことは気にせず見てほしい。
18. 夢を生きた男 −ザ・ベイブー
認認認
どうでもいいような話題が先行しているらしいが、作品自体の出来はスバラシイと思う。
ウソ臭い偉人伝の類では決して知ることの出来ないアメリカンドリーム、ベーブ・ルースが
ここにいる。野球好きはもちろん、そうでない人も楽しめる作品ですよ。
19. 愛という名の疑惑
認認認
後半のたたみ込むような展開は、テンポがあってとても良かった。ただ そのキッカケになる
部分にちょっと引っかかるものを感じた。別にケチつけるわけじゃないけど、
その後が良かったので、よけいそう感じてしまったのです。
20. ハウスシッター 結婚願望
認認認
こういうのを上質のコメディーだと文化人の人たちは思ってんだろうなあ。
どうでもいいけど、会話の妙ってんですか、うまいよねえ、まったく、とてもアメリカ的だと
思います。基本的にドタバタ物が好きな私ですが、こう上手いと納得させられます。
21. りーサル・ウェポン3
認認認
もう何の説明いらない。単純解明、痛快娯楽大活劇。小難しい理解は無用。
気楽にスクリーンに向かっていれば それでOK!派手な仕掛け、スピード感いっぱいのアクション
細かいことにとらわれないデタラメさを、でかいスクリーンで楽しもう。
22. アフタヌーンティーはベットで
認認
どうも外人の恋愛ものってリアリティーが感じられないなァ。
確かに男はカッコいいし、女はキレイでいいんだけど、なんかお洒落過ぎて恋愛のための
恋愛って感じ。作りもののニオイがして、感情移入が出来なかった。僕だけかな、あしからず。
23. プリティー・リーグ
認認認
看板に偽りなし。ホントにみんないい。年老いた仲間が集まって昔を懐かしむという
よくある手を使い、クサい演出も多少あるけれど、それもご愛嬌。
そんなこと全然気にしないもんね。だってホント選手一人一人がすっげープリティーなのよ。
24. 寝取られ宗介
認認
素敵だよね こういうの。愛があるよね。でも女の人には理解し難いだろうな。
特に最近の若い女性には、まあ それはそれで、男のわがままなロマンであって
いいんだけれども。近頃のウソ臭い薄っぺらなトレンディードラマよりよっぽど愛を感じた。
25. 阿賀に生きる
認認認
ドキュメントは、操る側の視点でいかようにもなり、極端な話し、正反対の内容を持たせる
ことも出来る。この作品は独りよがりのメッセージを押しつけも正義もない。
阿賀で生活する人々を淡々と撮り続けているだけだ。どうとるかは観る人にお任せ。
26. ディス・イズ・マイライフ
認認
とてもよいお話しではあると思いますが、いかんせん、あのオバちゃんの漫談が面白く
ないんだなァ これが。あの程度のギャクでスターになっちゃうなんてリアリティーがなさ過ぎだ。
彼女を取り巻く連中のほうが、よっぽど面白かった。
27. ラジオ・フライヤー
認認認認
子供の頃のことを色々思い出しちゃった。夏は身体が溶けそうなくらい夏だったし、
冬だってホントに冬然としいて…。全てが不思議に輝いていた。なんてセンチメンタルに
なったけど、カッコつけてるわけじゃなく、そんな気持ちにさせてくれた作品。
28. 死んでもいい
認認
登場人物の誰に視点をおいて見るかによって、随分と感じ方の違う作品じゃないかなと思う。
まあ 個人的には、同時に2人の女性から愛されたなんて記憶がないので、
あの女性(名美)の心の動きは チョッと理解出来なかった。私は未熟者です。
29. キラキラひかる
認認
この作品を観て最初に思い出したのが 「俺たちの旅」 ちょっと古かったかな。
向こうは男三人だけど、何故か思い出した。僕は同性愛者でもアル中でもないんだけど、
共感できることがあった。でも男同士のラブシーンはチョットって感じ。
30. ボンテージ
認認
作品のテーマとしては、すごく理解できるのだが、いまいちリアリティーが感じられない。
やはり偽善的資本主義社会の代表的と言っても過言ではない現代日本国に
のうのうと生きているからかも。もはや化石化した法に守られている僕たちです。
つづく…


【連載 辛口シネマ・コラム NO.1】 【連載 辛口シネマ・コラム NO.2】 【連載 辛口シネマ・コラム NO.3】

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