第65回 ベネチア国際映画祭 コンペティション部門 正式出品作品
北野 武監督作品 『アキレスと亀 』



ストーリー
幼い頃から絵に興味を持ち、画家を志すようになった真知寿。
やがて、自分の才能を理解してくれる幸子と出会った彼は結婚。
その後も妻に支えられて創作に打ち込む真知寿だが誰も彼の芸術を評価しようとはしなかった…
監督・脚本・編集・挿入画:北野武
製作:森昌行、吉田多喜男 撮影:柳島克己 音楽:梶浦由記 美術:磯田典宏


ビートたけし ・ 樋口可南子 ・ 柳 憂怜 ・ 麻生久美子
中尾 彬 ・ 伊武雅刀 ・ 大杉 漣 ・ 筒井真理子 ・ 吉岡澪皇 ・ 徳永えり ・ 大森南朋


日活撮影所にて 制作溌表
左から ビートたけし氏  樋口可南子さん  麻生久美子さん  柳 憂怜
劇中のワンシーン



完成披露試写会
左から 麻生久美子さん ビートたけし氏  樋口可南子さん  柳 憂怜


OFFICAL SITE



第65回 ベネチア国際映画祭風景
(2008. 8. 26〜2008. 9. 6)


サッサリ ・ヴェネチア・ファンクラブのみんなと共に・・・公式上映 後輩:マダ村越氏 (前左) ・ お宮の松氏 (前右) ・ アル北郷氏 (後右)

現地の北野武監督の「サッサリ・ヴェネチア・ファンクラブ」のみんなと交流!
ほんと世話になった〜最高な連中!GREAT!GREAT!



WOWOW ヴェネチア国際映画祭 現地レポート!
WOWOW 現地レポート・タイトルは・・・
「殿!入れて下さい!」 北野作品レッドカーペットは大騒動!

『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』 河崎実監督 ・ タケ魔人 ・ 柳 憂怜 (左から)

ヴェネツィア国際映画祭・金獅子前にて
本場のレッドカーペットなんて、最初で最後だろうなぁ…




凄いねぇ…凄い写真…色んな意味で凄い!

先ず何が凄いかって、
北野武監督の最新作のメインキャストにキャスティングして頂いたこと。
普通に考えたらあり得ない、万に一つもあり得ない。

僕が師弟関係(たけし軍団)とは無関係の独立した役者であったなら
絶対にあり得なかったはず。 18年前ならいざ知らず・・・

今や北野映画に出たい俳優は世界中にごまんといると思う。大袈裟じゃなくて。
(実際にケイト・ブランシェットは、尊敬する監督として北野監督の名を上げている)

監督さえ OKならば、どんなに有名な俳優でもキャスティング出来るであろう。
実際、「アキレスと亀」の準備段階では僕が演じさせて頂いた
青年期の真知寿役には数人の有名俳優の名が挙がっていたらしい。

数多いる俳優の中から「柳 憂怜」を指名してくれたことに、
心から 「殿」 (北野監督の身内的呼び方) に感謝している。
しかも、ユーレイから「憂怜」に改名しようというのも殿のアイデア。

今回の作品を機に役者として、
「もう一ランクも、二ランクも、ステップアップしろ」という、
叱咤激励の親心だと僕は勝手に解釈しています。

ただ嬉しい反面、もし駄目だったら、
期待に応えられなかったら (端から期待なんかされてないとは思うが…) と、
ネガティブな考えが、ふとした瞬間に頭を過ぎったりなんかして…
そのせいなのか?撮影開始早々にしてダウン。

二日目の撮影も滞りなく終わり、帰宅の途につくも突然、謎の発熱!
辛うじて自宅に辿り着いたものの最早体力の限界。玄関先でノックアウト!
撮影のことが気になるものの、39度超の高熱と寒気に襲われ、
なす術もなく布団に包まり、ひたすら耐えるのみ。
うちの奥さんからは、「いい歳して知恵熱出してる…」と笑われる始末。

自分では多少の余裕はあるつもりだったんだけど…
やっぱり相当プレッシャー感じてたんですねえ…身体は正直だ。
で、何が一番のプレッシャーかと言うと…
監督が何にも言ってくれないんですよ。良いとも悪いとも。
これって演者にとって一番困るんですよ。指針が無いから。

僕なんかは長年、「殿」のやり方を間近で見てきたから、
何にも言われないのは、「OK!ってことなんだ。」って勝手に思ってるけど、
初めての役者さんなんて、ほんと戸惑うだろうなぁ…実際に困惑していた人、数名…。


そして更に凄いのが「第65回ヴェネツィア国際映画祭」の
レッドカーペットの上を歩いちゃったってこと。

この事実の凄さって分かりますかぁ?

全世界中から、まずはコンペティションのため
数千本(抜粋されて)という膨大な数の映画出品、その作品郡の中から
選ばれた21本の作品に携わった者しか歩けない場所ですよ。

そんなところを歩いちゃった。
しかも一寸したハプニング&ドラマもあったりして…

「殿!殿!入れて下さい!」
その模様は色々なメディアでも取り上げて頂きまして…
因みにこれ、仕込みだとか、ヤラセだとか、
打ち合わせてたとか思っている人が結構いるみたいなんですけど…
本当に僕ら4人は蚊帳の外だったんです。

偶然か必然か?誰かの陰謀か?はたまた単なるミスなのか…?
真相は藪の中ってことですが…

兎に角、歩いたんですよ、レッドカーペットの上を!
もう気分は一流俳優って感じでした。一瞬だけでしたけど…

そして、ヴェネツィアでは多くの出会いもありました。
グレッグを始めとした「北野武・サッサリ・ヴェネツィア・ファンクラブ」のみんな、
世界各国から集まったプレス関係や映画好きの人たち、
どの人たちにも快く受け入れてもらい、本当に心優しい気持ちの良い人たちでした。

まぁ、それもこれも全て北野武監督のお陰以外の何者でもないですけどね。
再び、感謝!感謝!

そして、もうひとつ見て下さい、このド派手なスーツを!
これは友達のアーティスト「絵獅匡」氏
今回のヴェネツィア行きのために描き下ろしてくれた世界にひとつの作品なのです。
トータルイメージとしては、やはりヴェネツィアに因み、ズバリ「金獅子!」かな?
氏には今回撮影に入るに至り、絵心特訓・デッサンのレッスンもして頂きました。

こうやって僕は沢山の人に支えられ、やれてます。
本当に皆さん有難う!感謝!感謝!

是非とも一人でも多くの方に見て頂きたいと心からそう思っています。
2008. 9. 6  柳 憂怜


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